イルミネーションデザイナーの想い|千葉友也

京都を拠点にイルミネーションをデザインするデザイナーのブログ。

イルミネーションデザイナーになるまで

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僕がイルミネーションデザイナーになった頃というのは、約13年前。今も所属している会社の当時の社長から、「イルミネーションはオマエだ!!」という言葉をいただき、初めて「イルミネーション」という世界に入りました。

 

それまでは、京都芸術デザイン専門学校のスペースデザインコース第一期生としてデザインの基礎中の基礎を学ばしてもらい、将来は建築設計をやりたくて、毎日課題を遅くまで一人残って作業し、いつも先生はそこで色々な事を話してくれたり、お茶やご飯をおごってくれたりして、僕を見ていてくれました。

 

夏休みになると、約1ヶ月も休みになるのは自分の中で、かなりもったいないと思い、毎日学校に通い、先生と対抗する形で、建築アイデアコンペに何度も挑戦していました。(当然、全然突き詰めていないアイデアと表現力の無さで僕は、落選。先生は、何度も大賞や受賞をされていました。)

 

今思えば、そんなデザインの「デ」もできない僕に、付き合ってくれて一緒の建築アイデアコンペに出してくれた先生の愛情なんだな、と思います。

 

当時は、就職氷河期というのもあり、なかなか求人は無く、自分から動かなければ!!という思いで、アトリエ系建築設計事務所で少しでも気になったところを見つけたら、電話、メールで「とりあえず、僕の話を聞いてくださいっ!!事務所見学させてくださいっ!!」といって、十何件か伺わしていただきました。

 

結局、事務所に入ることはできませんでしたが、思いを伝え、自己満足的なもので終わったかもしれませんが、当時に伺わせていただいた事務所は、今も健在で、いいお仕事をされています。(え?上から目線的な発言。。。w)

 

そして最近になって、あの当時、僕は事務所に見学行かせてもらってたんですよ〜って言うお話をする機会も出てきて、繋がってるんだなって思います。

 

そして、専門学校の先生からの紹介で、建築設計事務所、大手内装設計管理会社を経て、今の会社に。。。それも全部、周りの方々からの紹介で、です。なんと、周りの方に恵まれてるんでしょうか。。。感謝です。

 

そして、会社に入った僕には、デザイナーは僕ともう一人(現デザイン室長)だけで、会社から要求される、商品カタログ、チラシ、内覧会、WEB、展示会ブース等をゼロからのスタートで、毎日夜中になるまで必死にやっていました。

 

そこから、会社がイルミネーション部材の材料販売を始めるということで、そのカタログ制作を始めたのがイルミネーションに関わった一番最初です。カタログを営業さんが配布していくと、デザイン依頼がきだしたので、僕にお声がかかった。という流れで物件デザインもするようになりました。

 

最初は、イルミネーションのデザイン?材料、ナニを使うの?ベースは、金物?木工?スチール?アルミ?ステンレス?それは、何ミリφ?塗装仕上げってナニ?って、何もわからないところからのスタートです。

そして、営業から見積りもしてっていう丸投げされたこともあります。。。まあ、その方は、完全にクライアントの施設への送迎係だけでしたね。。プレゼンもお金の話も全部僕が、していましたし。。。w

 

なので、色々な人に、専門家(例えば、金物屋さん)に何度も何度も聞きにいきました。「え〜、イルミネーションの下地材なんてやったことないよ。」って、言われても、僕は「いや、僕はこれをこうしたくて、ちゃんと設置しても倒れなくて、自立して約2ヶ月程で撤去になるんで、それまでに持つような仕様にしたいんですっ!!下地はあまり目立たせたくないんで、色は白にして、コストも抑えたいのでギリギリで持たせる仕様にしたいんです。教えてください。お願いします!!」って、言って口説き落としたのを覚えていますw

まあ、まだそれぞれの現場で設置条件というのは違うし、それぞれである程度想定して、フレーム形成等は考えてるんですが、最初にこういう事を経験したのは、自分のベースになっています。

 

そんなスタートで、今までなんとかやってるって感じです。

まだまだ、自分はできる、と思います。(。。。生意気ですよねw)

でも、そういう気持ちを大切に、ひとつひとつを丁寧に一生懸命していけば、ジワジワとなのか、スーっとなのかはわかりませんけど、何かに結びつくんではないだろうか、と思っています。

 

まあ、ブログ一回目は、こんなところで。

 

写真は、2010、2011年にデザイン、施工をさせていただいた、京都の洋菓子屋・マールブランシュ北山本店様のイルミネーションです。

実は、このイルミネーションで2011年度ディスプレイ産業賞入選をさせていただきました。地元・京都で、初めて最初から最後まで携わり、徹夜して現場を完成させた思い出のあるイルミネーションが、こうやって評価されるというのは、とても嬉しく、励みになっています。